
最近の相場を見ていると、少し不思議な感覚があります。
日経平均は夜間も含めてじわじわ上がっているのに、ビットコインはなかなか勢いよく上に抜けていきません。
日経平均先物やオルカン、S&P500などにも分散して投資している方であれば、全体としてはそこまで悪い気分ではないかもしれません。
一方で、仮想通貨を中心に投資している方にとっては、どうにもすっきりしない相場に見えるのではないでしょうか。
「なぜビットコインだけ重いのか」
「本来ならもっと素直に急騰してもよさそうなのに、なぜ上値を抑えられてしまうのか」
そんな違和感を持っている方も多いと思います。
今回は、足元の市場環境を踏まえながら、
日経が上がる一方で、ビットコインの上値が重く見える理由 について整理してみます。
日経平均が上がっているのは「安心感ラリー」の面が強い
まず、日本株が堅調な理由です。
ロイター報道では、アジア株、とくに日経平均を含む株式市場が上昇した背景として、米国とイランの対話再開期待や、そこからくる原油価格の落ち着きが挙げられていました。
これによって、投資家心理が改善し、株式市場にはリスクオンの流れが入りました。
つまり今の株高は、
企業業績が急に劇的によくなったからというより、地政学リスクが少し和らいだことによる安心感で買われている面が大きい
わけです。
では、なぜビットコインは同じように上がらないのか
ここが本題です。
ビットコインも本来は「リスク資産」として買われやすい局面ですが、今は株ほど素直に反応していません。
理由は単純で、上に行くたびに売りが出やすい構造 になっているからです。
特に重いのが、8万ドル前後の戻り売り圧力 です。
ビットコインの背景や、そもそもなぜ自分がそこに惹かれたのかについては、[なぜ私はビットコインに行きついたのか] に書きました。
また、それをなぜ今も手放していないのかは、[なぜ私はビットコインを手放さないのか] で整理しています。
今回の記事は、その思想面というより、足元の需給と市場心理に焦点を当てたものです。
8万ドル前後には「助かったら売りたい層」がいる
オンチェーン分析では、短期保有者の平均取得コストが約81,600ドル付近にあると整理されています。
この水準は、最近高値圏で買った参加者の損益分岐点に近く、価格がここへ戻ると「ようやく助かったから売ろう」という売りが出やすくなります。
つまり、ビットコインが8万ドル近辺まで上がっても、そこからさらに一気に噴き上がるのではなく、
- やれやれ売り
- 建値撤退売り
- 短期勢の利確売り
が出やすいわけです。
相場が軽く見えないのは、この売り圧力がかなり人間くさいからです。
「弱気の個人が足を引っ張っている」は半分正しい
感覚的には、
「結局、弱気の個人が上値を重くしているのではないか」
という見方になります。
これは半分正しいと思います。
オンチェーン分析では、小口需要の弱さが続いており、ビットコイン市場は依然として力強い現物需要に欠けるとされています。
つまり、個人投資家側の積極的な買いが強くないため、少し上がると売りに押されやすい状態です。
ただし、正確には
「個人だけが悪い」のではなく、市場全体の買いそのものがまだ弱い」
と見るべきでしょう。
このあたりは、単なる価格の上下というより、人が何を信じ、どのタイミングで安心し、どこで手放すのか という問題でもあります。
そうした見方については、[私はビットコインで何を観測しているのか] にもつながっています。
一方で、下では大口や機関の買いも入っている
ここが面白いところです。
上値は重いのに、崩れそうで崩れ切らない。
その背景には、下で拾っている資金の存在があります。
分析では、足元の市場は小口よりも大口主導の色合いが強いとされており、需給の主導権は必ずしも個人にありません。
つまり今のビットコインは、
上では弱い手が売り、下では強い手が拾う
という構図になっている可能性があります。
このため、派手に急騰はしない一方で、全面崩壊にもなりにくい。
見た目としては、非常にストレスのたまる値動きになります。
日経とビットコインは、同じ「上昇」でも中身が違う
ここを混同すると、相場が見えにくくなります。
日経平均は、原油高の一服や地政学リスク緩和期待から、比較的わかりやすく買いが入りやすい市場です。
一方、ビットコインは、
- 短期保有者の戻り売り
- 小口需要の弱さ
- 上値での利確圧力
- それでも下では吸収する大口資金
といった要素が重なっていて、単純なリスクオンだけでは上に抜け切れない状態です。
つまり、
- 日経は安心感で上がりやすい
- ビットコインは需給の壁が厚く、上がるにはもう一段の材料が必要
という違いがあります。
それでも悲観しすぎる必要はない
ここで大事なのは、
「上がらない = 終わった」
ではない、ということです。
むしろ今のビットコインは、
弱い手が手放し、強い手へ移っている途中
とも読めます。
こうした局面では、価格だけを見ているとイライラします。
しかし相場の中身を見ると、単純に弱いというよりも、
売りたい人の売りをこなしながら、次の段階に進もうとしている相場
にも見えます。
8万ドル前後を明確に超えて定着できれば、この「助かったら売る」層の圧力はかなり薄れていくはずです。
そのとき初めて、ビットコインは今よりずっと軽い値動きになるかもしれません。
まとめ
足元の相場を整理すると、次のようになります。
- 日経平均は、地政学リスク緩和期待と原油価格の落ち着きで買われやすい
- ビットコインは、8万ドル前後に戻り売り圧力がある
- 最近買った短期保有者の損益分岐点が重石になりやすい
- 小口需要はまだ弱く、上値追いの勢いが不足している
- その一方で、下では大口や機関が吸収している可能性がある
つまり今のビットコインは、
弱いから上がらないのではなく、売り圧力をこなしながら上を目指している途中
と見ることもできます。
株のように素直ではありません。
ですが、だからこそビットコインは面白いとも言えます。
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